センター長挨拶
堺市立心身障害者(児)支援センター「ベルデさかい」(運営は社会福祉法人三篠会)は、平成24年に誕生した地域で暮らす重症心身障害者(児)のための施設・病院です。平成24年度までは重症心身障害児施設と呼ばれていましたが、以降は18歳未満の児童が利用する医療型障害児入所施設と18歳以上の方を対象とした療養介護事業所に区別されることになりました。しかし最も重度な方々を乳幼児期から成人になられた以後も一貫して支援する、ということは同じです。そうした方々を入所として50名、通所として1日20名、短期入所として最大で10名をお受けしています。平成26年度からはリハビリテーションや婦人科診療などの外来業務も開始しています。入所と通所は堺市に在住の方のみですが、短期入所や外来は堺市以外に居住されている方にもご利用いただいています。
重症心身障害というのは肢体不自由の身体障害が重度で、知的な面でも重度の障害が併存している状態のことですが、私たちは病院としての機能も持っている当施設の特徴を活かして、医療や看護の面が大変でお困りの方を多くお受けしています。入所者(児)の半分は人工呼吸器の装着が必要な方や気管切開をしておられるなど、超重症あるいは準超重症とされる方々です。またご家族の高齢化などで家庭養育が困難になられた方々もお受けしています。
入所だけでなく通所や短期入所を通じても、私たちは地域における障害児者の療育や医療に寄与していきたいと努力しております。NICU(新生児集中治療ユニット)や病院などから受け入れた場合でも、お預かりするだけの施設であってははならないと考えています。どんなに障害が重くても、その方にはその方自身の人生があり、生活があり、そのご家族がおられ、それらを援助させていただくことが私たちの役割だと思っております。医師、看護師、生活支援員、リハビリテーションスタッフ、栄養科スタッフや福祉相談員など多くの専門スタッフが働いていますが、皆、思いは同じです。
施設をすでにご利用いただいている皆様、および新たに施設のご利用をお考えの皆様に申し上げます。私たちは可能な限り開かれた施設でありたいと思っています。いろいろなご意見・ご要望をお寄せください。その一つ一つを検討し、皆様と一緒に地域の療育を作り上げていきたいと願っています。
最後に、多くの専門分野の方々にこの事業への参与を呼びかけます。ともに重度障害の方々、ご家族が安心して楽しめる拠り所を作っていきましょう。